FacebookなどSNSで多くの人が注目している商品・サービスがあると、思わず見入ってしまうことは多い。武蔵野大学経営学部の松井彩子専任講師は、SNSでの「いいね」や「閲覧」の数が大きくなると、ユーザーが情報を拡散するようになり、情報収集や購買・利用意向も高まることを明らかにした。多くの人が同様な関心を持っていると、ユーザーが行動を起こすうえでの心理的な障壁が低くなるためとみられる。
デジタルマーケティング・広告の動向(詳細は会員専用)
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2024年04月
「いいね」「閲覧数」は、ユーザー行動に影響を及ぼす 武蔵野大学 松井 彩子
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Criteo、LINE公式アカウントでのパーソナライズメッセージ配信を実現
コマースメディアを展開するCriteo(クリテオ、本社フランス)は、LINE公式アカウントの「友だち」となったユーザーの興味・関心を分析して、ユーザーごとにパーソナライズされたメッセージを送るサービス「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」の正式版をローンチした。商品の購買を大きく促す効果が期待できる。国内のLINEテクノロジーパートナー(コミュニケーション部門)6社と協業する。EC(電子商取引)、人材、不動産、旅行などのWebサービスを展開する事業者向けに利用を促していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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RIZAP、店舗とアプリの活用で体験型広告プラットフォーム事業を開始
コンビニジム「chocoZAP」を展開するRIZAP(東京・新宿)は、店舗でのサンプリング、備品設置、タブレット広告、会員アプリへの広告配信を中心とする広告配信プラットフォーム事業「chocoZAP Partners」を開始した。サンプリングや備品設置などで効果を感じてもらう「体験型」を特色としている。健康食品・飲料のほか、化粧品、美容サービスなど幅広い分野の広告を開拓していく。chocoZAP会員は2月14日時点で112万人を超えており、広告事業も成長が期待できるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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UNICORN、イスラエル社と協業しデジタルサイネージの広告配信・効果測定
アドウェイズ(東京・新宿)の子会社で全自動マーケティングプラットフォームを運営するUNICORN(東京・新宿)は、デジタルサイネージの効果測定・簡易運用管理をSaaSで提供するParsempo(パルセンポ、本社エルサレム)と業務提携し、リテールメディア向け広告配信プラットフォームと統合型デジタルサイネージの提供を開始した。スーパー、ドラッグストアなどで店内サイネージへの広告配信の事例を増やし、食品・飲料や消費財メーカーを中心に導入を促していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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アイレップ、広告主との連携プラットフォームにAI分析機能を搭載
デジタルマーケティングを支援するアイレップ(東京・渋谷)は、広告主と広告関連の情報を一元的に管理・連携できるプラットフォーム「iPalette」(アイパレット)に、GPT-4などLLM(大規模言語モデル)を含む様々なAI(人工知能)を活用して、広告配信実績を分析する機能を搭載した。マーケティング施策でのKPI(重要業績評価指標)に影響を与えた要因をGPT-4をベースにアイレップ独自の分析機能を付与したシステムが読み解き、分析してコメントを作成する。広告の効果分析が迅速となり、広告主はマーケティングのPDCA(計画・実行・検証・改善)サイクルを一段と円滑化に回せるようになる。
(主席研究員 渡辺正幸)
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Criteo、クッキーレス対応のアドレサビリティ戦略で共通ID「IM-UID」と連携
コマースメディアのCriteo(クリテオ、本社パリ)は、クッキーレス環境に備えるアドレサビリティ戦略の一環として、インティメート・マージャー(東京・港)が運用する共通IDソリューション「IM-UID」との連携を開始した。IM-UIDはIPアドレスなどからユーザーを推計して付与したIDで、個人情報保護のために段階的な廃止が進むサードパーティークッキーを使っていない。IM-UIDを使ったユーザーデータは、ターゲティング広告の配信精度が比較的高い。Criteoは広告主の様々な要望に応じて配信先ユーザーを設定できるアドレサビリティ戦略を展開するなかで、IM-UIDをユーザーを特定できるソリューションとして提供していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2024年03月
DACとTimeTree、「未来データ」を用いて高精度のターゲティング広告を提供
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC、東京・渋谷)とTimeTree(東京・新宿)は、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」のデータを活用した広告配信サービス「MIRAI_DSP」を開始した。ユーザーが登録した予定やライフイベントなど未来のデータを分析して、関心のありそうな広告をアプリ内や外部サイトに配信する。保険、家電などで広告配信したところ、通常の配信に比べて好意度や加入意向が高まった。クッキーを使わない、精度の高い広告配信サービスとして利用が広がるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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Shirofune、広告運用自動化ツールにLTV算出・運用機能を追加
Shirofune(東京・中央)は、広告運用自動化ツール「Shirofune」にEC(電子商取引)プラットフォームを連携し、新規ユーザーが購買に至った割合や金額、既存ユーザーのLTV(顧客生涯価値)を算出する機能「LTV運用 for EC」を加えた。広告主は広告効果、広告費の回収状況をきめ細かく判断できるようになり、広告運用を最適化しやすくなる。BtoBについても、広告主がSalesforceなどのCRM(顧客関係管理)や自社データベース内で保有する商談・受注・売り上げデータなどと紐づけて、真の広告効果を算出し運用を最適化するサービスの提供を開始した。
(主席研究員 渡辺正幸)
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ログリー、検索キーワードなどから購買行動を予測するデータプラットフォームを開発
ログリー(東京・渋谷)は、検索キーワードや行動データから購買行動を予測するインテント(意図・動機)プラットフォーム「LOGLY Sphere」(ログリー スフィア)を開発した。社内外から収集したユーザーの行動データ、広告配信データなどを蓄積・利用する。ユーザーが現在、興味・関心を持っている事柄を推定できる。ターゲットを絞り込んだBtoCの広告配信のほか、BtoBの業務改善などDX(デジタルトランスフォーメーション)の支援にも事業を拡大していく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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メディックス、ベーシック社と提携しBtoBサイト構築サービスを開始
デジタルマーケティングの総合コンサルティング会社メディックス(東京・千代田)は、「ferret One」(フェレットワン)を運営するベーシック(東京・千代田)と業務提携し、BtoBサイト構築支援サービスを開始した。テンプレートに合わせて商品画像、コピーなどを入力すればリード獲得に効果的なサイトが作成できる。BtoB企業は新型コロナ禍をきっかけにDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を入れており、IT(情報技術)、製造業などに幅広く入り込んでいく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2024年02月
「アンバサダー・プログラム」は、クチコミ創出に効果がある 東京工科大学 藤崎 実
化粧品、IT(情報技術)など様々な企業で自社ブランドのファンを組織化し、クチコミを創出するアンバサダー・プログラムを運営している。東京工科大学メディア学部の藤崎実准教授は、家庭用電化製品メーカーのアンバサダーを対象にアンケート調査を実施し、アンバサダー・プログラムがクチコミを創出し、ブランド・ロイヤルティを高めて反復購入を促すことを明らかにした。
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電通デジタル、小売業界向けに短期・低コストのCDPソリューション提供
電通デジタル(東京・港)は、小売業界向けCDP(顧客データ統合プラットフォーム)ソリューション「r-DOMA」の提供を開始した。マーケティング施策を打つための基盤となる顧客データの取得と統合から、データ分析と可視化、セグメント作成、広告配信などでの外部連携まで、一連の工程をパッケージ化した。短期間に低コストで導入できるのが特徴で、EC(電子商取引)サイトを運営するアパレルなどでの利用を見込んでいる。
(主席研究員 渡辺正幸)
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ハートコア、TOPPANとコンテンツのパーソナライズでマーケティング支援
CMS(コンテンツ管理システム)大手のハートコア(東京・品川)はTOPPAN(東京・文京)と、コンテンツ出し分けプラットフォーム「Dashiwake」を活用したマーケティング支援サービスを開始した。ユーザーの属性や興味・関心に応じて、デバイスごとに同じ文脈のコンテンツを出し分ける。TOPPANは顧客情報を収集・統合するCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を導入した企業を中心に、「Dashiwake」を活用してユーザーとのつながりが深まるようにウェブサイトやアプリのカスタマイズを促していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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CMI、GMOプレイアドと共同で動画制作からCM予算を効率化するパッケージ提供
CMI(東京・港)は、GMOプレイアド(東京・渋谷)と共同で、テレビCM動画の事前評価と広告枠の効率的な買い付けができるパッケージサービス「CMスタートダッシュ」の提供を開始した。CMIは広告主が自社内でテレビCM枠を買い付けるツール「CM in-house」(CMインハウス)を提供しており、これにGMOプレイアドのCM動画の事前評価サービス「PlayAds(プレイアズ)byGMO」を組み合わせる。テレビCMのノウハウが乏しい企業でも、広告予算を最適化できる。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年11月
DAO型マーケティング、コミュニティは有機的に成長 明海大学講師 小谷 恵子
NFT(非代替性トークン)を利用したコミュニティづくりが活発化してきた。明海大学経済学部講師の小谷恵子氏はその特徴を、ユーザーがバーチャルな存在のまま自主的に経済活動に関わっていくDAO(分散型自律組織)型マーケティングと分析した。ブランドが生活に入り込み、メンバー同士が相互に学び合い影響し合っている。企業が主導する従来の顧客コミュニティに大きな変革を迫りそうだ。
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質の高いデジタル広告の訴求へ「クオリティメディア宣言」 ~ 長澤秀行事務局長に聞く
デジタルガレージ(東京・渋谷)の子会社BI.Garage(同)と有力メディア30社で共同運営する「コンテンツメディアコンソーシアム」は10月、信頼性の高いコンテンツを提供するメディアについて、広告枠の価値も高く評価すべきだという「クオリティメディア宣言」を発表した。BI.Garage 特命顧問 クオリティメディアコンソーシアム事務局長の長澤秀行氏に、この宣言をまとめた背景や今後の活動について聞いた。
(聞き手は主席研究員 渡辺正幸)
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2023年10月
インフルエンサーの広告投稿、消費者の不信感を緩和 横浜商科大学准教授 渋瀬 雅彦
広告であると明示されたインフルエンサーの投稿は、消費者行動にどのような影響を与えるだろうか。横浜商科大学商学部観光マネジメント学科の渋瀬雅彦准教授は、Instagram上でのインスタント食品を対象としたアンケート調査によって、インフルエンサーの商業的意図を開示する便益タグは広告認識に影響せず、不信感を直接に減らす効果があることを明らかにした。
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ヴァリューズ、Web行動ログを使った戦略市場分析から広告配信までをパッケージ化
消費者のWeb行動ログ分析でマーケティングを支援するヴァリーズ(東京・港)は、企業がリーチしていきたい消費者を「戦略ターゲット」としてWeb行動を分析し、Yahoo!やGoogleでターゲティング広告を配信するパッケージ「REAL Target Monitor®」の提供を開始した。消費者モニターの動きから自社や競合のサイト利用状況を推計人数でとらえ、自社サイトの利用を促すための広告を配信する。自社サイトへのユーザーの流入状況をみながら、的確なマーケティング戦略が打てるのが特徴だ。BtoC企業を中心に利用が広がるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年09月
SMN、テレビCM放送期間中にターゲティング広告配信が可能に
アドテクノロジー事業のSMN(東京・品川)は、広告配信サービス「TVBridge Ads」の新機能として、CM放送期間中にCM視聴者セグメントを生成し、そのセグメントに広告を配信する「CM視聴追っかけターゲティング」を開始した。大手テレビメーカーから取得したテレビCMの視聴データを活用し、同社DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)のデータと機能を介して、追加的なターゲティング広告を迅速に配信する。通販会社の試験的な配信では、CM放送後に実施する従来のターゲティング広告に比べて、広告接触後の検索率(ビュースルーサーチ率)が2.5倍に上昇した。同社では幅広い業種で高い広告効果が期待できるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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ヤフー、急上昇トピックやトレンドを可視化する「DS.INSIGHT Trend」の提供を開始
ヤフー(Yahoo! JAPAN)は8月、検索データを分析して急上昇トピックやトレンドを可視化分析するツール「DS.INSIGHT Trend」の提供を開始した。Yahoo!検索から推計した検索数と、検索数の増加率のスコアから、あるトピック(キーワード)がどれぐらいトレンド価値を持っているかを、同じジャンルの他のトピックなどと比較しながら判断できる。どんな検索者がトピックに関心を持っているのか、性・年代、興味関心も調べられる。企業の商品・サービス開発、販売促進策の立案、需要予測などに利用が広がるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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「これから」ネットショップの自動集客ツール“AdSIST”を提供、AI活用で広告配信を最適化
Webサイトの開発・運用会社、これから(東京・新宿)は、ネットショップの自動集客ツール「AdSIST」(アドシスト)を開発、2019年6月から提供している。カートシステムと呼ぶネットショップ制作サービスと連携し、グーグル、フェイスブックなどにAI(人工知能)を活用して広告を自動配信する仕組みだ。ネットショップの売り上げ低迷に悩む小規模事業者の間で導入が急速に増えている。代表取締役の今泉雄介氏に事業戦略を聞いた。
(聞き手はジャーナリスト/研究員 永家 一孝)
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2023年08月
人生の残り時間が長いと感じる女性は、非消耗品の支出を控える 高知大学講師 磯田 友里子
どのような条件や意識がシニア層の消費に影響を与えるのだろうか。高知大学人文社会科学部講師の磯田友里子氏は、人生の残り時間への知覚である「未来展望」と、将来と現在の自分との心理的なつながりである「将来自己連続性」とが非消耗財の購買にどのように影響するかを分析した。その結果、購買活動がもっとも活発なのは「将来の自分とのつながりは強いが、残された時間は長くないと感じているシニア女性」であることを明らかにした。
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デジクル、小売業向け店頭販促プラットフォーム「デジクルプラス」を提供開始
CARTA HOLDINGSグループで小売業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業を展開するデジクル(東京・渋谷)は、デジタル販促支援を目的とした店頭販促プラットフォーム「デジクルプラス」の提供を開始した。値引きクーポン、ポイントバッククーポン、スタンプ型キャンペーンなどの施策を一元的に運用・管理できる。スーパー、ドラックストア、ホームセンターなど幅広い業態に対応する。コンサルティングの役割も強化して、大手だけでなく、地方の中小規模チェーン店やメーカーにも導入を促していく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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マイクロアド、AIやビジネスデータを使ってBtoBのターゲティング広告提供
データプラットフォーム事業のマイクロアド(東京・渋谷)は、従来のBtoB広告配信サービス「シラレル」の新機能として、パートナー企業から提供を受けるビジネスパーソンのセグメントデータを利用した、リード獲得支援に特化する広告配信サービス「シラレル ~リード獲得プラス〜」の提供を開始した。潜在的な顧客になり得る企業や役職者をAI(人工知能)が選び出して広告を配信する。バナー広告、SNS広告の配信のほか、ランディングページもAIを使用した分析データを活用し作成する。精度の高い広告配信システムとして、SaaSなどIT(情報技術)企業やコンサルティング企業、メーカーなどに幅広く利用を促していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年07月
エンゲージメント、満足度とロイヤルティを経由し購買行動に影響 同志社大学教授 髙橋 広行
ブランドと消費者との関わり合い(エンゲージメント)に注目が高まっている。同志社大学商学部の髙橋広行教授は、消費者の心理面でのデータにSPA(製造小売業)の購買行動データを組み込んで、エンゲージメントが購買に及ぼす影響を分析した。消費者のアプリ活用状況もモデルに取り入れた。エンゲージメントが満足度とロイヤルティを経由して、購買行動に影響していることなどを明らかにした。
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GMO NIKKO、ChatGPTを搭載した広告テキスト生成ツールを開発
マーケティング支援事業を展開するGMO NIKKO(東京・渋谷)は、対話型AI(人工知能)「ChatGPT API」を搭載した広告テキスト生成ツールを開発した。最新の検索アルゴリズムで評価されている要素を反映した、検索連動型広告のテキストが作成できる。DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するツールとして、社内業務に幅広く応用していく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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True Data、YouTube広告の実店舗における売り上げ純増効果が分かる検証サービスを開始
小売業の購買データを扱うビッグデータプラットフォーマーのTrue Data(トゥルーデータ、東京・港)は、実店舗でのYouTube広告の売り上げ純増効果を検証するサービス「Poswell」(ポスウェル)の提供を開始した。Googleが公開している統計モデル「Causal Impact」(コーザルインパクト)を使って、広告を配信しなかった場合の予測値と、実測値との差を売り上げ効果として算出する。YouTube広告に関心が高まるなか、日用品や飲料メーカーを中心に利用が広がるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年06月
推し活は幸福度を高める 甲南大学准教授 青木 慶
自分の好きな人物やキャラクターを応援するためにコンサートに行ったりグッズを買ったりする「推し活」は、タイアップ広告などで企業キャンペーンに幅広く取り入れられている。甲南大学マネジメント創造学部の青木慶准教授は、推し活を活動内容と頻度で4つに分類し、日ごろ活動に熱心な人ほど持続的幸福度が高くなることを明らかにした。
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電通、デジタル販促の効果予測システム「SP COMPASS」の提供開始
電通はデジタル販促における参加者数の予測や、最適なキャンペーン条件のシミュレーションができるシステム「SP COMPASS」(エスピーコンパス)の提供を開始した。ポイント数、キャンペーン期間など販促施策の情報を入力すると、予測した参加者数を算出する。これまでは体系化された0次分析の手法が少なく、事前の予測やキャンペーン条件の事前比較が難しかったが、広告主は効果が数値化されることによって企画を立案しやすくなる。第1弾としてデジタル販促「PayPayギフト」に対応し、食品、日用雑貨などのメーカー向けキャンペーンに利用し始めた。対応するデジタル販促メニューをさらに増やしていく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年05月
視覚的なぬくもりは購買意欲を高める 千葉商科大学准教授 西井 真祐子
マーケターは、消費者に企業や製品に共感してもらえるように、さまざまな感覚に訴える情報を提供している。「ぬくもり」は消費者の感情を揺り動かす有効な切り口だが、直接に製品に触れさせなければ情報を伝えられないのだろうか。千葉商科大学商経学部の西井真祐子准教授は、ぬくもりを感じやすい素材を使った製品を見ることからも、消費者の購買意向が高まることを確認した。コロナ感染を回避する生活が続く中で、孤立感を抱きがちな消費者に寄り添って信頼を得ていくアプローチにつながりそうだ。
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サイバーエージェント、AIでデザイナーのクリエイティブ制作を支援する「極予測AI」の運用を本格化
サイバーエージェントは、AI(人工知能)で広告デザイナーのクリエイティブ制作を支援するシステム「極予測AI」の運用を本格化し、多くの実績を出している。デザイナーはAIを使って、ターゲットの属性やメディアに合ったコピー文例や素材を組み合わせてクリエイティブを作る。さらに作成したクリエイティブが既存の最も優れたクリエイティブを上回る広告効果を達成できるかどうかを予測して改善する。デザイナーの作業効率は大幅に高まり、クリエイティブの制作本数も増えている。広告に使う人物像、動画など素材もAIによって自動生成し、作業効率を一段と高めていく計画だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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ジオテクノロジーズ、位置情報を使ったポイ活アプリ「トリマ」に広告配信を開始
地図情報を提供するジオテクノロジーズ(東京・文京)は、位置情報を使ったポイ活(ポイント活動)アプリ「トリマ」に広告配信を開始した。特定の地域に住むユーザーにお知らせやクーポンを配布する「トリマ広告ダイレクト」など4種類のメニューをそろえた。トリマの月間アクティブユーザーは全国で400万人に上っている。小売店の集客、飲料・食品メーカーの新製品キャンペーンなどに利用が広がるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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ジーニー、ChatGPTでECのかご落ち防止メッセージを自動生成
デジタル広告支援サービスのジーニー(東京・新宿)は、EC(電子商取引)などで購入直前に離脱したユーザーを復帰させるためのメッセージを自動作成するシステムを開発した。米オープンAI社の「ChatGPT」を組み込み、自社の事例データベースから作成する。社内コンサルタントが利用するほか、主要なクライアントにも提供していく。メッセージ作成のほかにも、全社を挙げてクライアントのデジタルトランスフォーメーション(DX)向上ツールに応用していく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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Data Chemistry、テレビCM×交通広告の効果を測定する「トレインクロス」の提供開始
Data Chemistry(データ・ケミストリー、東京・港)は、電車内広告を見たユーザーが来店したり、ウェブサイトを訪問したりした集客効果や、テレビCMと電車内広告に重複接触したときの効果を測定するサービス「トレインクロス」の提供を開始した。インターネットに接続したテレビから収集したテレビ視聴ログデータと、ブログウォッチャー(東京・中央)が提供するアプリユーザーの位置情報データを組み合わせる。将来は逆に、高い広告効果が見込めるユーザーを選んで、デジタル広告を配信することも検討している。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年04月
SNSのスタッフコーデ、消費者の満足感向上に効果 大妻女子大学教授 吉井 健
アパレル企業はリアル店舗とEC(電子商取引)を融合させたオムニチャネル戦略の一環として、アパレル販売員を活用したSNSプロモーションを活発化させている。大妻女子大学家政学部被服学科の吉井健教授は、情報探索と購買方法で消費者を3タイプに分類したうえで、SNS情報が充実すると、いずれのタイプの消費者に対しても販売促進効果を高めることを明らかにした。
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AppLovin、アプリ開発者の収益を機械学習で最大化する事業を拡大
AppLovin(米カリフォルニア州)は、日本でのアプリ開発者向け支援事業を拡大している。広告配信プロダクト「AppDiscovery」によってアプリユーザーを拡大するとともに、アプリの広告収入を増やす「MAX」を組み合わせて、アプリ開発者の収益を最大化する。機械学習によって、ユーザーごとに最適なアプリ広告を配信できる点に特徴がある。ゲーム、漫画、ポイ活のアプリを中心に利用が拡大している。
(主席研究員 渡辺正幸)
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博報堂、ウェブサイト行動データからエンゲージメント指数を算出しデジタル広告運用を高度化
博報堂は、売り上げ・成約データなどCRM(顧客関係管理)データがなくてもデジタル広告運用を見込み顧客へ最適化するコンサルティングサービス「DATA GEAR for Engagement」の提供を開始した。Google が提供するアクセス解析ツール「Googleアナリティクス4」(GA4)を導入している全企業に対して提供可能で、サイト滞在時間やPV(ページビュー)数などから独自ロジックによってビジネス価値が高いと想定される見込み顧客を見付け出す。広告予算が限られた企業でも導入しやすいのが特徴で、デジタル広告のすそ野を広げるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年03月
Twitter愛好者はオタク系、Instagram愛好者はアウトドア系 中央大学教授 松田 美佐
文字を中心とするTwitter愛好者と写真や動画を中心とするInstagram愛好者とでは、意識や行動に違いがあるのだろうか。中央大学文学部の松田美佐教授が20歳を対象に調査したところ、Twitter愛好者は趣味がマンガやゲームで性格は内向的、Instagram愛好者は趣味がファッションや旅行で性格は外交的だった。ただ、交友関係や価値観に大きな違いがないことも考慮すべきだとしている。
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DAC、外部データを活用してユーザーの状況に合わせた広告配信
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC、東京・渋谷)は博報堂アイ・スタジオ(東京・千代田)と共同で、天気や花粉指数などの外部データとGoogle マーケティングプラットフォームの機能を活用してカスタマイズ広告を配信するサービス「MOMENT CREATIVE」(モーメント・クリエイティブ)を提供している。ユーザーが置かれた状況に合わせて広告を配信できるので、広告への注目度を高められる。今後はリッチクリエイティブを配信するユーザーを、機械学習を用いてセグメント化する新たなサービスも予定している。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2023年02月
GumGum、PDCA促すコンテクスチュアル広告分析の提供開始
コンテクスチュアル(文脈分析に基づいた)広告のGumGum Japan(東京・千代田)は日本国内で、配信設計の指針となり、配信結果を確認するための指標となる「コンテクスチュアル・インサイト・レポート」の提供を開始した。キーワードと文脈を分析して使って配信ターゲットを決め、CTR(クリック率)など効果指標を最適化することを目的として、PDCA(計画・実施・検証・改善)サイクルを回していく。2023年春には広告が実際に見られていた時間(アテンション)も測定できるようになり、インプレッション(広告が表示された回数)あたりの広告の質の向上を意識したキャンペーン企画がしやすくなる。クッキー規制が強まるなかで、コンテクスチュアル広告の利用拡大に弾みがつくとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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オプト、3大ECモールでの売れ行きを同一画面でツール「Oxcim」を開発
オプト(東京・千代田)は、楽天市場、アマゾン、Yahoo!ショッピングなど、複数のEC(電子商取引)モールを1画面で分析できるサービス「Oxcimβ版」(オキシム)を開発し、無料で提供を開始した。各モールのカテゴリー別売り上げや個別商品の売り上げ推定値などを分析できる。自社商品の閲覧数、CVR(コンバージョン率)、指名検索数などを他社と比較しながら、マーケティング施策を実行できる。現在、国内3大ECモール(楽天市場、アマゾン、Yahoo!ショッピング)を対象としており、今後は他のEC専門モールやSNSを加えて、EC市場の80%をカバーできるようにする。
(主席研究員 渡辺正幸)
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セプテーニ、ポストクッキー時代に対応した新計測基盤「Precog Base」の対象にLINE Conversion APIを追加
デジタル広告のセプテーニ(東京・新宿)は2022年10月、ポストクッキー時代に対応したデジタル広告の新計測基盤「Precog Base」(プリコグベース)に、サーバー経由でユーザーデータの送信が可能な「LINE Conversion API」を新たに連携させた。Precog BaseではすでにGoogle、Facebookなどには対応済みだ。広告主はPrecog Baseを通じて、広告プラットフォームごとに異なるデータ接続仕様に対応でき、自社でエンジニアを抱える必要もない。広告の配信精度の向上も図れる。クッキー規制が強まるなかで、導入企業が拡大するとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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「TORIHADA」TikTokクリエイターと共に企業のマーケティングを支援
TORIHADA(東京・渋谷)はSNSのショートムービーを軸として、企業のインフルエンサーマーケティング活動を支援している。なかでも若年層に人気のTikTokを使った動画制作、広告展開を得意とする。子会社を通じて、クリエイターの支援やコンテンツの品質管理にも力を注いでいる。卯木研也取締役COO(最高執行責任者)に、事業にかける思いや展望を聞いた。
(聞き手は主席研究員 土山誠一郎)
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2022年12月
中国人消費者の「観光土産品のリピート購買(連鎖消費)」促進のためのマーケティング・コミュニケーション 桃山学院大学教授 辻本 法子
外国人の入国規制が緩和され、中国人のインバウンド観光が復活しそうだ。訪日旅行者から観光土産を受け取った中国人がオンラインショップなどでリピート購入すれば、観光土産の需要拡大が期待できる。桃山学院大学経営学部の辻本法子教授は、訪日経験とブランド認知の有無で受け手を分類し、SNSで情報発信したくなる商品パッケージの開発などを提案している。
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Yahoo! JAPAN、トレジャーデータと連携してデータクリーンルームを構築
ヤフー(Yahoo! JAPAN、東京・千代田)は2023年春、データクリーンルーム「Yahoo! Data Xross」(ヤフー・データ・クロス)の運用を開始する。カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)を提供するグループ企業、トレジャー・データ(東京・千代田)と連携した。クッキー規制が強まるなか、ユーザーのプライバシーを保護しながら、広告主が精度の高い効果測定をできるようにする。
(主席研究員 渡辺正幸)
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「トラストリッジ」食情報メディアの運営経験を基にウェブマーケティングのコンサル事業
食と暮らしのメディア「macaroni(マカロニ)」などを運営するトラストリッジは、その運営経験を基にしてウェブマーケティングのコンサルティング事業に力を入れている。アドテクを活用してネットメディアの広告収入の最大化を提案しているほか、2022年からはメーカーや小売業のオウンドメディアの改善やSNS(交流サイト)運営支援も始めた。大場義之社長に事業戦略を聞いた。
(聞き手はジャーナリスト/研究員 永家一孝)
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2022年11月
ライブコマース、短い時間で引き付ける動画がポイント KDDI総合研究所 新倉 純樹
インターネットのライブ配信で商品を販売する「ライブコマース」が注目されている。KDDI総合研究所シンクタンク部門の新倉純樹コアリサーチャーは、ライブコマース利用者の特徴を6つの意識項目で分析した。利用者はライブ感を楽しむのが好きで、隙間時間によく視聴し、衝動買いしやすい傾向があることが明らかとなった。
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PubMatic、クッキー規制に対応してインティメート・マージャ―の共通IDと連携
サプライサイドプラットフォーム(SSP)大手のPubMatic(Nasdaq:PUBM))はクッキー規制に対応し、広告主のユーザーデータと共通IDで接続するシステム「Connect」(コネクト)の対象に、インティメート・マージャ―(東京・港)の「IM-UID」を加えた。IM-UIDは行動履歴などからユーザーを類推して付与したIDで、広告配信先を大量に確保できるのが特徴だ。PubMaticが日本企業の開発した共通IDと接続するのは、これが初めて。IDソリューションを使った広告枠取引を普及させてシェアを広げる戦略の一環で、他の共通IDとの連携や事業の深化を進めていく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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電通と電通デジタル、複数のデータクリーンルームを一元管理するシステムの提供開始
電通と電通デジタル(東京・港)は、複数のデータクリーンルームを一元管理するシステム基盤「TOBIRAS」(トビラス)の提供を開始した。プラットフォームごとに仕様が異なるデータクリーンルームのデータを、同じ基準で分析できる。運用を担当する社員を育成するため、関連技術やプライバシー保護の法律を熟知していることを認定する「認定アナリスト制度」も導入した。ユーザー像の分析から、広告配信への接続、投資効果の測定、広告運用の最適化まで、デジタル広告を運用できるシステムとして顧客企業を開拓していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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「AJA」プレミアムなオンライン動画へ広告を配信
AJA(アジャ、東京・渋谷)は、インターネット回線でコンテンツ配信するOTT(オーバーザトップ)サービス向けに広告を配信している。企業や商品のブランドを損なわないように、質が高いコンテンツを配信する事業者を選んでいる点に特色がある。2022年2月には、コネクテッドテレビに特化した広告配信プラットフォームの提供を開始した。野屋敷健太社長に、OTT向け広告の現状と将来性について聞いた。
(聞き手は主席研究員 土山誠一郎)
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2022年10月
クッキーレスとインターネット広告(下)クッキーレス時代にとるべき対応策 野村総合研究所 名取渚子氏
近年、インターネット広告に影を落とす問題として、クッキーレスが話題になっている。本レポートの第1回では、クッキーレスがインターネット広告にもたらす影響や、完全な代替策がないことについて述べた。第2回では、クッキーレス環境下において、企業がインターネット広告に対する考え方をどのように変えていくべきか、対応策について紹介する。
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ニールセン、プラットフォーム横断でデジタル広告の効果測定
ニールセンは2022年春、「ニールセン IDシステム」を日本に導入し、デジタル広告の測定を強化した。広告主は、グーグルをはじめとする海外の主要プラットフォームを含む、すべての主要媒体にまたがる広告キャンペーンリーチを統合し、「人」ベースで全体像の把握ができる。プライバシー保護に配慮しており、クッキー規制が強化されるにつれて、利用が広がりそうだ。アジア太平洋(APAC)地域トランスフォーメーション・リーダー、シニアバイスプレジデントのランジート・ローンガニ氏と、ニールセンデジタル社長の宮本淳氏に、デジタル広告測定や、開発段階の新サービスの内容や背景を聞いた。
(聞き手は主席研究員 渡辺正幸)
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ファンコミ、SKAdNetwork活用でAdjust社とAPI連携
プロシューマー(生産活動をする消費者)支援事業を展開するファンコミュニケーションズ(東京・渋谷)は2022年8月、スマートフォン向け運用型広告配信システム「nend」(ネンド)において、Adjust社(本社:ベルリン)が提供するモバイルマーケティング分析プラットフォーム「Adjust」との連携を強化した。アップルのiOSの広告効果測定フレームワーク「SKAdNetwork」での広告効果の把握を効率的に実施できる。すでに広告効果の改善、アプリの売り上げ向上などの成果が出ている。さらに測定結果の可視化に工夫するなどして、広告主の利用を促していく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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DAC、データクリーンルーム分析をダッシュボードで提供
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC、東京・渋谷)は、ユーザープライバシーに配慮した、より自由度の高い広告プランニングを実現するためのデータ分析基盤「WISE Hub」の提供を開始した。広告主や広告代理店は管理画面を使って、Googleなどプラットフォーム各社のデータクリーンルームを用いた分析結果を安価かつスピーディーに提供できる。広告配信先の絞り込みや、潜在顧客層の発見などデジタルマーケティングの支援ツールとして、利用が広がるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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新経連、クッキーポリシー対象事業者の明確化を要望
改正電気通信事業法(電通法)によって、EC(電子商取引)モール、ニュースサイトなど一定のウェブサイトにクッキーポリシー掲載が義務付けられた。ウェブサイトは、クッキーによってユーザー情報の送信先リストを掲載し、オプトアウトしやすいように配慮する必要がある。ただ、規制内容はあいまいな部分が多い。新経済連盟に、電通法をどう評価し、どのような要望をしていくのかを聞いた。
(聞き手は主席研究員 渡辺正幸)
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2022年09月
クッキーレスとインターネット広告(上)クッキー規制の背景 野村総合研究所 名取渚子氏
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、インターネット通販やWeb動画の利用が増大している。インターネット広告費は2021年に、マスメディア4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)を初めて上回った(電通「2021年日本の広告費」より)。しかし近年、インターネット広告に影を落とす問題として、クッキーレスが話題になっている。これまでインターネット広告の効果分析や効率的な広告配信は、クッキーによってユーザーを識別することで行われてきた。そのクッキーがプライバシー保護を重んじる世界の趨勢として、取得できなくなる。つまり、クッキーレス時代の到来である。本レポートでは、クッキーレスの背景やインターネット広告にもたらす影響と、その対応策について、2回に分けて紹介する。
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AppsFlyer、プライバシー規制の打開策としてデータクリーンルームの提供を開始
AppsFlyer Japan(東京・渋谷)は、アプリ広告効果計測とマーケティング分析を、ユーザーのプライバシーを保護しながら取り組める、データクリーンルームの提供を開始した。メディアと広告主は、ユーザー単位で個人情報をやりとすることなく、データクリーンルームを通じて個人を特定しない方法でユーザーの行動を分析できる。SNSなどメディアは広告主に対して、ユーザー情報の提供を制限する傾向を強めている。AppsFlyerのデータクリーンルームを利用すると、メディアが制限した情報を補完できるため、分析精度が向上する。ゲーム会社を含む、幅広い業種の広告主が導入するとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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CCI、クッキーレスに対応して位置情報使い広告配信・分析サービス
CARTA COMMUNICATIONS(CCI、東京・中央)は、クッキー規制が強化されるのに対応して、データマーケティングサービス「Data Dig」の一環として、位置情報を使ったデジタル広告・配信分析サービスを開始した。ブログウォッチャー(東京・中央)がアプリで収集したユーザーの位置情報と、グーグルのデータクリーンルームを組み合わせる。小売業などの広告主は、配信した広告によって自社店舗にどれくらい多くのユーザーを呼び込めたかを測定できる。オフラインの位置情報を取り入れたクリーンルームでの分析はまだ少なく、他の広告代理店とは異なるサービスとして顧客企業を開拓していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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Criteo、AIでターゲティングを高精度化した動画広告の配信を開始
世界的な広告配信事業者Criteo(クリテオ、本社パリ)は日本で、興味・関心を持つ可能性が高いユーザーに動画広告を配信する「Criteo動画広告」の提供を開始した。ユーザーのメディアでの行動データと広告主が持つ購買データとを組み合わせ、AI(人工知能)を使って的確に動画広告のターゲットを選び出す。飲料・食品、自動車などメーカーを中心に広告主を開拓する。Criteo動画広告は今後、動画クリエイティブのパーソナライズ化や動画広告から直接に購買できるようにすることを視野に、研究開発に力を入れ、機能の高度化も進めていく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2022年08月
LINE、トレジャーデータとデータクリーンルームソリューションを共同開発
LINE(東京・新宿)は、米トレジャーデータと業務提携し、ユーザーのプライバシーを保護しながら企業のマーケティングニーズを満たす「データクリーンルームソリューション」の開発に乗り出した。これによって、例えばLINEで広告を見たユーザーが商品を実際に購入したかどうかを、トレジャーデータが提供する「Treasure Data CDP」内に格納された顧客データと突き合わせて分析し、これまで難しかった実購買データやオフラインコンバージョンへの広告貢献の可視化などが可能になる。広告主は精度の高い広告の効果測定が可能となり、LINEへの広告出稿の拡大につながるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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ABEMA、コネクテッドTV特化型広告ソリューションを提供開始
AbemaTV(東京・渋谷)が運営する動画配信サービス「ABEMA」は2022年5月、インターネット動画を大画面テレビなどで見られるコネクテッドTVに特化した広告ソリューション「ABEMA Ads CTVパッケージ」の提供を開始した。性・年代などにターゲットを絞った広告配信から、広告を見てからのアプリダウンロード状況をはじめとした効果計測まで、様々なメニューを用意した。コネクテッドTVは市場が急拡大している。広告主の利便性を高めることで、広告需要の開拓にも拍車がかかるとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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「unerry」人流ビッグデータのプラットフォームを構築
unerry(ウネリー、東京・港)は、生活者の移動をGPS(地理情報システム)、ビーコンなどで集めた「人流データ」を企業に提供している。生活者の買い物行動をAI(人工知能)で分析し、きめ細かく広告配信できることが特徴だ。企業だけでなく、地方創生事業など自治体での利用にも力を入れていく。内山英俊代表取締役CEOに、事業の特徴や抱負を聞いた。
(聞き手は主席研究員 土山誠一郎)
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2022年07月
インティメート・マージャー、クッキーレスのターゲティング広告配信を拡大
DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)大手のインティメート・マージャー(東京・港)は、サードパーティー・クッキーデータを使わないターゲティング広告配信「IMポストCookieアドネットワーク」を拡大している。2021年8月に提供を開始し、2022年1月にはアカウントを持つ企業が100社を超えた。グーグルなどプラットフォーマーはクッキー規制を強めており、2022年4月には改正個人情報保護法が施行されて個人情報の厳格な管理が必要になった。同社は取引先企業に対して、「IMポストCookieアドネットワーク」への移行を促していく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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DAC、ポストクッキーIDを使ったターゲティング広告配信サービスを開始
インターネット広告大手のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC、東京・渋谷)は2022年5月、サードパーティー・クッキーを使わずにターゲティング広告を配信するサービスを開始した。ファーストパーティー・クッキーをはじめとした様々なデータを使って共通のIDを付与する統合ID技術、「AudienceOne®ID」を利用する。今後はブラウザーのIDに加えて、アプリのIDも推定に利用するなどして、精度がより高く、配信数もより拡大できるようにする方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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クロス・マーケティング、ネット動画広告の効果を予測するツールの提供開始
調査大手のクロス・マーケティング(東京・新宿)は、ネット動画広告の配信用に属性や関心・興味で分類したセグメントから、最も効果が高いものを選び出す広告シミュレーターツール「Dipper」(ディッパー)の提供を開始した。ネット広告の精度を高めるために利用されてきたサードパーティー・クッキーが廃止される見通しとなり、機能を補う広告配信支援ツールとして事業会社や広告代理店に利用してもらう。今後はターゲティングの絞り込みに使う属性などを増やすほか、同社の調査パネルに広告を配信して効果を確認できるサービスも提供する方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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シャープマーケティングジャパン、デジタルサイネージの視聴分析サービス開始
シャープマーケティングジャパン(大阪府八尾市)は2022年6月、デジタルサイネージ(電子看板)の視聴分析ソリューションの提供を開始した。ディスプレーに広告など様々な動画を映し出し、動画を見た通行者の数、性別、年齢をAI(人工知能)で解析してグラフ化する。通行者の顔認識など視聴分析用ソフトウエアには、ニューフォリア(東京・渋谷)が開発した「Vision Eye」を採用した。通行者の特徴の分析、反応がよい動画の選択などを通じて、効果的な広告配信ができる。既設のサイネージにも、機能を向上させるシステムとして導入を促していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2022年05月
ONE COMPATH、店舗情報の一元管理サービスを開始
インターネット地図検索や電子チラシサービスを提供するONE COMPATH(ワン・コンパス、東京・港)は、店舗情報や販促情報、クチコミデータの収集・分析を一元管理できるプラットフォーム「LocalONE」(ローカルワン)の提供を開始した。クチコミの分析サービスを提供するmov(東京・渋谷)と共同で開発した。グーグルマップの店舗情報、電子チラシサービス「Shufoo!」(シュフー)に掲載する店舗情報や販促情報を、1つの操作画面を通じて変更できる。消費者が投稿したコメントを分析して、店舗運営の改善に役立てることもできる。小売り、外食を中心に、2025年度までに売り上げ30億円、6万店舗への導入を目指している。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2022年04月
カルビー、アプリ会員に商品の販売店検索機能を追加
カルビーはスマートフォンアプリ「カルビー ルビープログラム」に、販売店検索システムを追加した。アプリ利用者は、話題の新商品やなじみの商品がどこで売られているかを、いつでも確認できる。カルビー製品の愛好者とのつながりを深め、長期にわたって商品を購入してもらう。さらに顧客の声を商品開発に生かしながら、それぞれの好みに合った新商品を薦めることができるように機能を高度化する方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2022年03月
メトロアドエージェンシー、地下鉄利用者の行動を可視化
東京メトログループの広告会社メトロアドエージェンシー(東京・港)は2021年12月、生活者の位置情報データプラットフォームを運営するunerry(東京・千代田)と共同で、東京メトロ利用者の行動分析サービス「行動DNAアナライザー」の提供を開始した。リアル行動ビッグデータを蓄積するunerryの「Beacon Bank」(ビーコンバンク)をベースに、東京で働くビジネスパーソン・生活者の行動を可視化・分析し、広告、販促イベント、商品・商業施設開発などのプランニングに役立てる。さらにウェブ上での購入データや閲覧履歴などの趣味し好データと組み合わせて、より精度を高めていく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2022年02月
Supership、KDDIとクッキーレス広告配信システムを提供
データ技術サービスのSupership(スーパーシップ、東京・港)は、KDDIと共同で2022年1月、クッキーを使わない広告配信システムの提供を開始した。ウェブサイトやアプリを閲覧した際に、一度だけ使う広告配信用IDを発行して、利用者の属性などに合った広告を配信する。英ノバティック社の技術を導入して実現した。利用者は追跡されることなく広告を受け取ることができ、広告主は精度が高い広告を配信できる。Supershipでは、クッキーレス時代の有力な広告配信プラットフォームに成長すると見ている。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2021年09月
ログリー、クッキーレスの文脈解析でネイティブ広告の配信拡大
ログリーは、サイトの文章を分析して、利用者のし好や関心に合った広告を配信するコンテキストターゲティングを拡大している。広告主の希望する特徴などをキーワードとして設定したうえで、サイトの文章を文脈解析して関連する広告を配信する。このクッキーを使用しない新型配信ロジック「インテントキーワードターゲティング」を、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」に搭載した。「LOGLY lift」のインプレッション(広告表示回数)は、出版社、新聞社などパブリッシャーを中心に月間300億回に上る。さらに分析精度を向上させて、検索連動型広告並みの購買促進効果を実現する考えだ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2021年05月
CCCマーケティング、購買者起点でテレビCMプランニングのデータ分析を提供
CCCマーケティング(東京・渋谷)のテレビ視聴分析サービスが好調だ。Tポイント・ジャパン(TPJ)が運営するTカードの会員(T会員)が視聴するテレビ番組と、Tカードを使った購買履歴、会員の属性情報、各種行動データを結び付け、効果的なテレビCMの出稿や番組セールスなどのプランニングや効果検証ができる。すでに累計で50~60社が利用している。現在は広告主向け・テレビ局向けに各種分析ツールやコンサルティングサービスを提供している。今後はデジタル広告の接触データも連携し、テレビとデジタル広告を統合したより効果的なマーケティングツールとする方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
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2020年12月
動画広告のブランディング効果可視化 「アルファアーキテクト」
アルファアーキテクトは、インターネットの動画広告の制作から配信、効果測定までを一貫して提供するサービス「VeleT(ベレット)」を提供している。視聴者調査による定性と定量を掛け合わせて、テレビCMでは得にくいブランディング効果を可視化し、広告主の信頼を得ている。2017年から経営の舵取りをしている岩城功社長に聞いた。
(ジャーナリスト/研究員 永家一孝)
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2020年11月
データ囲い込み進行 規制動向に目 デジタルインファクト 野下氏
今やインターネット広告費の8割を占める運用型広告。広告主の出稿条件を管理するDSPと、広告枠の在庫を管理するSSPの間で絶えず入札が行われ、瞬時に広告が表示される。効率的な仕組みゆえに急成長してきたが、今、地殻変動の足音が忍び寄る。巨大プラットフォーマーをはじめ、多数の企業から成り立ち、機能分化が整然と進んできた運用広告型市場はどう変わっていくのか、実務家、専門家にインタビューする。1回目はデジタルインファクトの野下智之社長。
(主席研究員 望月均)
*この企画は不定期で連載します。
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最先端クリエーティブに脚光 3DCG駆使し“密”避ける工夫
コロナ禍では人と人との接触を避けるため、オンライン化が急加速しているが、広告クリエーティブの現場にもこうした変化の波が押し寄せてきている。威力を発揮するのは、最新のデジタル技術だ。TVCMの撮影などでは、大勢のスタッフや主演者が一堂に会さずとも、比較的短い時間で制作することを可能にした。サイバーエージェントグループで最先端クリエーティブを担うCyberHuman Productions(サイバーヒューマンプロダクション)は、3DCG(3次元)動画広告などの受注を伸ばしている。
(主席研究員 土山誠一郎)
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2020年08月
ネイティブ広告の「アウトブレイン」 300超すサイトが採用
アウトブレインは主にレコメンドウィジット型のネイティブ広告枠で、ユーザー(閲読者・視聴者)の興味、関心に沿った広告を配信する会社だ。米国ニューヨークに本拠があり、世界55カ国で事業を展開し、この業態では世界最大級の規模を有する。日本でも、msnや中央紙のニュースサイト、出版社のウェブページなど、300を超す媒体社が同社の配信サービスを導入している。日本の広告事業統括の水野陽一氏に、事業戦略や企業理念を聞いた。
(主席研究員 土山誠一郎)
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