テレビCMで若いときの流行歌やニュース映像が流れ、思わず見入ってしまった経験があることだろう。県立広島大学地域創生学部の向居暁教授は、懐かしさ感情を自分の経験に基づく「自伝的懐かしさ」と、社会や文化を背景にした「文化的懐かしさ」に分けて、購買行動への影響を調査した。「文化的懐かしさ」はターゲット層を広げやすいが、「自伝的懐かしさ」のほうが購買意欲を刺激する可能性があるとしている。
記事一覧(詳細は会員専用)
-
2022年05月
自伝的懐かしさ、商品の購入判断に影響 県立広島大学教授 向居 暁
-
ONE COMPATH、店舗情報の一元管理サービスを開始
インターネット地図検索や電子チラシサービスを提供するONE COMPATH(ワン・コンパス、東京・港)は、店舗情報や販促情報、クチコミデータの収集・分析を一元管理できるプラットフォーム「LocalONE」(ローカルワン)の提供を開始した。クチコミの分析サービスを提供するmov(東京・渋谷)と共同で開発した。グーグルマップの店舗情報、電子チラシサービス「Shufoo!」(シュフー)に掲載する店舗情報や販促情報を、1つの操作画面を通じて変更できる。消費者が投稿したコメントを分析して、店舗運営の改善に役立てることもできる。小売り、外食を中心に、2025年度までに売り上げ30億円、6万店舗への導入を目指している。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
マクロミル、企業のデータ利活用コンサルで三井住友カード支援
調査大手のマクロミルは、データコンサルティング事業の一環として、顧客企業が保有するデータの利活用支援サービスを拡大している。2020年9月に三井住友カードと業務提携し、同カードのキャッシュレス決済データを活用した分析サービス「Custella(カステラ)」のデータ利活用の支援を開始した。さらに2022年2月、「Custella」にマクロミルのアンケートシステムを連携させ、キャッシュレス決済の行動データに、アンケートによる意識データを付加できるようにした。カード加盟店や提携先企業を対象は、より精度が高いマーケティングの展開が可能となる。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
サイトストック、VANDDDとサイトAI査定で業務提携
ウェブサイトの売買プラットフォームを運営するサイトストック(東京・渋谷)は2022年4月、AI(人工知能)で企業価値を評価するVANDDD(バンド、東京・港)と業務提携し、サイト全般(ウェブサイト、ECサイト、SNSなど)をAI査定するサービスを開始した。コロナ禍で生活者のインターネット利用が拡大し、広告媒体としての価値が高まったサイトの売却を検討する企業が増えている。一方、既存サイトを買収して手早く事業を拡大したい企業も増えている。AIによってサイト価値の査定が簡単となり、M&A市場の拡大に弾みがつくとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
環境活動、ネガティブ情報開示の正直さに評価
「WARC GUIDE」は、2022年3月号で「Net zero marketing」(脱炭素マーケティング)を特集した。そのなかから、“Washed Green” or “Transparent Grey”? Understanding why honesty pays off in environmental communication (「グリーンであると装う」か「グレーであることを隠さない」か? 環境コミュニケーションでは、なぜ「正直であること」が良い結果を生むか)を紹介する。企業は環境保全活動について、活動のベネフィットを強調しがちだ。しかし調査によると、ネガティブな事実を自主的に開示することが、企業の評価をむしろ高めることにつながるとしている。
*「ADMAP」は2020年4月から、「WARC GUIDE」として生まれ変わりました。
-
2022年04月
アスリート広告、ブランド拡張にも有効 國學院大學准教授 備前 嘉文
東京五輪、北京冬季五輪などアスリートの活躍が注目され、広告への起用も活発化しそうだ。國學院大學人間開発学部健康体育学科の備前嘉文准教授は、アスリートの知名度の高さ、人物のイメージが製品やブランドの特徴に合致すれば、高いマーケティング効果が期待できるとしている。アスリートの起用に際しては、ブランド管理のために十分な話し合いをしておくことが大事だと見ている。
-
凸版印刷、ファンマーケティング支援サービスを開始
凸版印刷は、企業のファンマーケティングに関する施策全般を支援するサービス「ファンシェルジュ」を開始した。顧客企業に適したプラットフォームの選定・構築から、運用、効果測定まで、一貫して手掛ける。コロナ禍で店頭での集客が伸び悩んでいる小売業を中心に受注を拡大し、2022年度中に、関連受注を含めて売り上げ1億円を見込んでいる。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
カルビー、アプリ会員に商品の販売店検索機能を追加
カルビーはスマートフォンアプリ「カルビー ルビープログラム」に、販売店検索システムを追加した。アプリ利用者は、話題の新商品やなじみの商品がどこで売られているかを、いつでも確認できる。カルビー製品の愛好者とのつながりを深め、長期にわたって商品を購入してもらう。さらに顧客の声を商品開発に生かしながら、それぞれの好みに合った新商品を薦めることができるように機能を高度化する方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
「フューチャーリンクネットワーク」店の魅力を伝える地域情報サイト
地域に根差した小売店や飲食店の魅力を発信する地域情報サイト「まいぷれ」を運営するフューチャーリンクネットワーク(FLN)は、各地のパートナー企業と組んで、掲載店を増やしている。2000年の創業以来、地域活性化を目的に事業展開してきた。21年8月の東証マザーズ上場をテコにして、システム開発や利用店へのウェブマーケティング支援を強化する。石井丈晴社長に、現在の状況と今後の展開を聞いた。
(聞き手はジャーナリスト/研究員 永家一孝)
-
カスタマージャーニーでのデータ収集は、消費者に目的明示を
「WARC GUIDE」は、2022年2月号で「Customer journeys in an omnichannel world」を特集した。そのなかから、「Using first-party data in omnichannel customer journey planning」(オムニチャネルにおけるカスタマージャーニー計画のためのファーストパーティーデータの活用)を紹介する。サードパーティーによるデータ収集が難しくなり、企業は自社で収集するファーストパーティーデータをマーケティングに活用する必要が出てきた。ファーストパーティーデータを収集する際には、消費者が協力することで購買体験が一段と快適になることを明らかにすべきだとしている。
*「ADMAP」は2020年4月から、「WARC GUIDE」として生まれ変わりました。
-
2022年03月
コミュニティの規範がファンを引き付ける 流通科学大学准教授 羽藤 雅彦
企業は顧客生涯価値に注目して、消費者をファンとして囲い込むコミュティづくりに力を入れている。コミュニティには独特のルール「規範」が生じて、ブランドやコミュニティに対する態度に影響を与えると考えられる。流通科学大学商学部マーケティング学科の羽藤雅彦准教授は、規範がコミュニティへの一体感の程度にかかわらず、ブランドやコミュニティへと結びつきを強めることを明らかにした。企業は規範を過度に心配せずに、コミュティ運営を進めるべきだとしている。
-
クロスロケーションズ、位置情報でリアル人流DMP広告を配信
クロスロケーションズ(東京・渋谷)は、位置情報が付いた広告配信IDを使って、特定の地点や地域への来訪者に継続して広告を配信するサービス「リアル人流DMP広告」を開始した。位置情報を使って生活者のし好や関心事を分析し、広告配信を通じて企業や商品のブランドとのつながりが強まるように、広告主の顧客育成を長期にわたって支援する。サードパーティークッキーの規制が強まるなか、精度の高い広告配信サービスとして需要を開拓していく。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
メトロアドエージェンシー、地下鉄利用者の行動を可視化
東京メトログループの広告会社メトロアドエージェンシー(東京・港)は2021年12月、生活者の位置情報データプラットフォームを運営するunerry(東京・千代田)と共同で、東京メトロ利用者の行動分析サービス「行動DNAアナライザー」の提供を開始した。リアル行動ビッグデータを蓄積するunerryの「Beacon Bank」(ビーコンバンク)をベースに、東京で働くビジネスパーソン・生活者の行動を可視化・分析し、広告、販促イベント、商品・商業施設開発などのプランニングに役立てる。さらにウェブ上での購入データや閲覧履歴などの趣味し好データと組み合わせて、より精度を高めていく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
「リチカ」制作プラットフォームとコンサルで課題解決
リチカ(東京・渋谷)は、デジタル広告の制作プラットフォーム「リチカ クラウドスタジオ」を軸として、企業の運用型広告のクリエーティブ作成を支援している。媒体社・プラットフォーマーとも連携し、的確で丁寧なコンサルティングを心がけている。松尾幸治代表取締役に事業の特徴や抱負を聞いた。
(聞き手は主席研究員 土山誠一郎)
-
広告・マーケティング、コロナ禍で社会志向手法が定着
日経広告研究所は2月10日、広告費予測と広告・マーケティングの現状と未来を解説する毎年恒例の「2022日経広研セミナー」を開催した。
(主任研究員 上村浩樹)
-
2022年02月
SNS時代の動画広告、物語性で高まる訴求力 亜細亜大学専任講師 福田 怜生
新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅時間が長くなり、ネットでの動画広告が注目を集めている。亜細亜大学経営学部専任講師の福田怜生氏は、物語広告は比較的長い秒数が必要だが、商品説明に重点を置いた情報提供広告に比べて広告評価が高いことを明らかにした。SNSが普及し、企業は安く動画広告を出せるようになっており、物語広告の効果に注目すべきだとしている。
-
ローソン、レシートに価値観に合わせた広告を配信
ローソンは2022年3月、会員の価値観に合わせた広告を、レシートやアプリに配信するサービスを開始する。会員の購買データ、性・年齢などから関心のある商品分野をAI(人工知能)で分析して、販売促進キャンペーンの効率を高める。初年度は100品目程度の商品について、レシート200万枚の広告配信を目指す。ローソンを長く利用するファンづくりにもつながると見ている。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
Supership、KDDIとクッキーレス広告配信システムを提供
データ技術サービスのSupership(スーパーシップ、東京・港)は、KDDIと共同で2022年1月、クッキーを使わない広告配信システムの提供を開始した。ウェブサイトやアプリを閲覧した際に、一度だけ使う広告配信用IDを発行して、利用者の属性などに合った広告を配信する。英ノバティック社の技術を導入して実現した。利用者は追跡されることなく広告を受け取ることができ、広告主は精度が高い広告を配信できる。Supershipでは、クッキーレス時代の有力な広告配信プラットフォームに成長すると見ている。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
「HIKKY」VRコンテンツでメタバース成長に乗る
巨大な仮想空間、メタバース関連のスタートアップ企業HIKKY(東京・渋谷)は、世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」を運営、メタバースの拡大に貢献する。同時に、ハンディのある人を積極的に採用、働き方改革にも一石を投じている。取締役社長CEOの舟越靖氏に、メタバース市場の将来性と自社の取り組みについて聞いた。
(聞き手は研究員 岡崎昌史)
-
2022年01月
広告表現、環境問題解決への本気度が試される 公開座談会
日経広告研究所は「広告界2022年に向けて ―2021年回顧と2022年以降の展望―」と題して、公開座談会を開いた。相次ぐ自然災害を背景に、環境問題が生活者の身近な関心事となった。投資家はESG(環境・社会・企業統治)を重視するようになり、広告にも反映させる必要が強まった。テレビとデジタルの融合が進み、広告主はコネクテッドテレビや番組のデジタル配信の動向を注視している。2023年のサードパーティークッキー全面禁止をにらみ、自社サイトの拡充も課題になっている。
-
コロナ禍でデジタルシフトが鮮明に 田中 洋 中央大学教授
公開座談会のプレゼンテーションで田中洋中央大学ビジネススクール教授は、コロナ禍による在宅勤務や巣ごもりの影響で、若い層を中心にテレビ離れが進み、ネットへのシフトが起きている現状を報告した。注目されているZ世代は環境問題への関心が高い。ネットに親しみ、SNSの動画を通じて共感を広げている。TikTokの投稿からヒット商品が生まれている。2023年のサードパーティークッキーの全面禁止による影響に注意すべきだとしている。
-
コロナ禍を逆手に共感を呼び込むクリエーティブ 佐藤 達郎 多摩美術大学教授
公開座談会のプレゼンテーションで佐藤達郎多摩美術大学教授は、コロナ禍で苦境にある人たちを励まそうという広告クリエーティブが共感を呼んだとしている。バーのシャッターに広告を描いたハイネケンの作品を例に挙げた。国内では、そごう・西武のレシートを素材とした広告を挙げた。そごう・西武の作品は、コロナ禍後の旅行などを楽しみにした人々の買い物の記録で、百貨店としてのパーパス(存在意義)が「希望を売る」ことである点を明らかにした。
-
テレビとデジタルの効果的な融合が課題 鈴木 信二 JAA専務理事
公開座談会のプレゼンテーションで鈴木信二日本アドバタイザーズ協会(JAA)専務理事は、コネクティドテレビの普及で、インターネット動画がテレビで視聴されるようになったこと、見逃し配信、同時配信、追っかけ配信など、新しいチャレンジが進み、広告をどう扱うべきかが議論されるようになったと述べた。デジタル広告の信頼性向上に取り組む組織として、デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)が発足した。SDGs(持続的な開発目標)など企業の社会課題に対する取り組みを、どう情報発信していくかが課題になっているとしている。
-
2021年12月
SNS時代の苦情行動と対策 関西大学教授 池内 裕美
生活者がSNSで情報を発信するようになって、商品に対する不平不満が企業経営を揺るがす例も出てきた。関西大学社会学部の池内裕美教授は、苦情投稿の背景には社会に注目されたいという承認欲求などがあるとしている。企業が不満を恐れて商品の品質を高める結果、生活者の商品に対する期待が高まり、さらに不満を招くという苦情のスパイラルに陥る。企業は苦情が発生した場合、事実を確認するとともに、謝罪など迅速な対応が必要だと結んでいる。
-
トランスコスモス、ECモールを最適化する分析サービスを開始
トランスコスモスは、EC(電子商取引)モールの診断・分析サービス「MallMAX Scope」の提供を開始した。ECモールに出店する企業は分析結果を元に、ページの改善や広告運用の強化によって売り上げを最大化できる。アマゾン、楽天市場向けにサービスを開始しており、Yahoo!ショッピング、PayPayモールにも順次拡大する。年間50社の受注を見込んでいる。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
Insight Tech、ビジュアルボイスと提携してAI文章解析でストーリー映像を作成
テキスト分析を使って新商品や新規事業の開発を支援するInsight Tech(東京・新宿)は、映像制作のビジュアルボイス(東京・渋谷)と提携し、企業や自治体のブランディング用動画「Branded Movie」(ブランディッドムービー)の受託を開始した。サービス名称は「Branded Cinema Voice」。AI(人工知能)を使って生活者のコメントを分析し、ストーリー仕立てで、共感を得られやすい作品を提供する。1年程度で5~10社の受注を目指す。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
LINE、店舗業態の支援サービスを拡充
LINEは、飲食店、小売店など店舗業態への支援サービスを強化する。LINE上で予約が完結できる「LINEで予約」、LINEから配信するデジタルチラシ「LINEチラシ」、テーブルオーダーや順番待ち機能がLINE上でできる「LINEミニアプリ」などのサービスを提供して、新型コロナ収束後の集客を支援してきた。2021年11月には店舗スタッフが「LINE公式アカウント」を通して情報発信やチャットによるオンライン接客ができる「LINE STAFF START」を開始した。企業がLINE公式アカウントの関連サービスの使い方を学べるサービスも提供し、業務用ツールとして普及に努めていく。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
「サクラサクマーケティング」中小企業ウェブサイトの集客力をSEOで改善
SEO(検索エンジン最適化)やコンテンツ制作を手掛けるサクラサクマーケティング(東京・渋谷)は、「SEO研究所 サクラサクLABO」と名付けたサイトで、ウェブマーケティングについての豊富な支援情報を無料で提供している。中小企業が主な対象で、顧客獲得につなげる。親しい語り口で情報発信を続ける取締役社長COOの根岸雅之氏に聞いた。
(聞き手はジャーナリスト/研究員 永家一孝)
-
インフルエンサーへの影響:eスポーツにおけるクリエーター経済
「WRAC GUIDE」は10月号で「Brands and the creator economy」を特集した。そのなかから「Influencing the influencers: Exploring the creator」を紹介する。eスポーツやゲームのクリエーターはライブストリームでのコミュニティーとのつながりに特徴があるため、マーケティング効果のKPIは同時視聴者数や視聴時間で測定すべきだとしている。コミュニティーは様々な地域にまたがるので、1つのスポンサー契約で複数の地域に向けたキャンペーンも可能となる。
*「ADMAP」は2020年4月から、「WARC GUIDE」として生まれ変わりました。
-
広告学会、全国大会で「GAFA時代の広告」を議論
日本広告学会第52回全国大会が11月19~21日、関西大学(大阪府吹田市)を主催校に開催された。新型コロナウイルス(Covid-19)の影響を考慮し、昨年の江戸川大学における第51回大会に続いてオンライン開催となった。「GAFA時代の広告」という統一論題のもと、21世紀初頭のデジタル広告の新秩序を世界規模で形成したGAFA(Google、Apple、Facebook=現Meta、Amazon の4社)と呼ばれるいわゆるプラットフォーム企業が果たしている役割と将来像について、さまざまな立場、視点から広告研究の新たな枠組みが議論された。
(報告:第52回全国大会運営委員会)
-
2021年11月
パーソナルデータ、利用促進のカギは経済的価値への向き合い方
私たちは個人情報を企業に提供することで、「おすすめ商品」を紹介してもらったり、関連広告を受け取ったりして、消費生活を充実させている。それでは個人情報には、どれくらいの経済価値があるのだろうか。静岡大学学術院情報学領域の高口鉄平教授は、個人情報の個別の経済価値を明示することはできないが、近年では価値を測る試みもなされており、また政府が展開する「情報銀行」では、提供によってどんなメリットが還元されるかが明確となり、個人が価値を実感しやすくなるとしている。
-
サイバーエージェント、DX支援を事業の新しい柱に
ネット広告大手のサイバーエージェントは、小売業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を本格化している。企画からアプリ製作、購買データ分析、広告配信まで一貫したサービスを提供できるのが強みだ。すでにファミリーマート、ヤマダデンキなどの販売促進で成果を上げている。DX事業を担当する宮田岳インターネット広告事業本部執行役員に事業戦略を聞いた。
(聞き手は主席研究員 渡辺正幸)
-
ヤフー、「Yahoo! MAP」で地図上からクーポン検索機能を提供
ヤフー(Yahoo! JAPAN)は、「Yahoo! MAP」で地図上からクーポンを検索できる「クーポンマップ」機能の提供を始めた。利用者は位置情報を使って、自分の近くにある外食店のクーポンを取得できる。9月の開始時点で19ブランド、全国約1万2,000店舗が対象だ。テーマ別に地図上で情報を提供するサービスは、「新築マンションマップ」「新型コロナワクチンマップ」「ラーメンマップ」に次いで4番目。生活者のニーズに沿って、さらに地図を使った情報提供を増やしていく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
「ガラパゴス」AIの活用で、デザインの産業革命を目指す
ガラパゴス(東京・千代田)は、AI(人工知能)技術を使って効果的なデザインの広告を提供している。勘や経験に頼らずに、データによってデザインを決められる。プランニングに必要なデータ整備にもAIを利用することを検討している。中平健太社長に事業の特徴や抱負を聞いた。
(聞き手は主席研究員 土山誠一郎)
-
これからのために過去に立ち返ろう:良質なメディアは広告を救う
「WRAC GUIDE」は9月号で「Conscious media investment」を特集した。そのなかから「Back to the future: How quality media can save advertising」を紹介する。犯罪を肯定したり、わいせつな画像を掲載したりする、不適切なコンテンツやサイトに広告を配信して、広告主のブランドを損なう例が後を絶たない。品質の高いウェブページを選んで広告を配信することで、ブランドを守り、費用も削減できるとしている。
*「ADMAP」は2020年4月から、「WARC GUIDE」として生まれ変わりました。
-
2021年10月
インバウンド行動に見るGISのマーケティングへの応用
生活者の移動情報を分析してマーケティングに生かす動きが活発になっている。最近ではコロナウイルスへの感染拡大を防ぐ人流分析が話題となった。空間的な変化の分析にはGIS(地理情報システム)が利用される。高橋朋一青山学院大学経済学部教授にGISとは何かを解説するとともに、分析例として2017年にまとめた中国人の大阪市でのインバウンド行動を紹介してもらった。中国人はUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)周辺と大阪城周辺を中心に、広い地域を移動していることが明らかとなった。
-
CookpadTV、店頭端末を通じてスーパーが独自に広告配信
店頭向けデジタルサイネージ(電子看板)サービスを提供するCookpadTV(東京・品川、今田敦士代表取締役)は6月、同社端末を設置するスーパーが独自に広告を配信できるサービス「ADpop」を開始した。スーパーは食品メーカーの協力を得て、独自企画の販売促進キャンペーンを打てる。すでに約10社が利用している。企画づくりには三菱食品が協力する。今後はスーパーのアプリと連動したレシピを提供するなど、来店者の買い物体験をより楽しくするサービスを加えていく方針だ。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
データアーティスト、AIでキャッチコピーをパーソナライズ化
AI(人工知能)を使ったマーケティング支援サービスを提供するデータアーティスト(東京・港)は、企業サイトへの来訪者に対して、それぞれの興味・関心に応じたキャッチコピーを表示するサービスを拡大している。あるウエディングサービス会社では、コンバージョン率(CVR)を5割前後高めた。金融機関、人材会社など、様々な業種からの引き合いも増えている。より生活者のニーズに合ったキャッチコピーを作れるように分析精度を高めていくほか、キャッチコピーの自動生成技術を応用して企業がSNSで自動的に顧客とコミュニケーションできるサービスも開始する。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
ウェザーニューズ、天気連動型広告を拡大
天気予報情報サービスのウェザーニューズ(千葉市美浜区)は、天気連動型広告を拡大している。スーパー向けには来店客が減る雨の予報に連動してクーポンを配布するなど、天気の変化に応じて広告を打つ。導入企業は累計で20社を超えた。2021年7月には生活者の関心が高まっている動画広告も開始し、受注増に弾みがつくとみている。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
「ビークエスト」バーチャルキャラクターを世界に発信へ
インターネットでのコンテンツ視聴が成熟化するなか、親しみやすく、情報発信力が高い2次元(2D)や3次元(3D)のキャラクターを使って生放送や動画を配信するバーチャルユーチューバー(Vチューバー)が話題となっています。広告などマーケティングでの利用も広がってきました。Vチューバーの開発・運用で実績のあるビークエスト(東京・渋谷)の小池淳一社長に、市場の将来性と自社の取り組みについて聞きました。
(聞き手は主席研究員 渡辺正幸)
-
2021年09月
Z世代に刺さる広告の要諦は共感の形成が起点
2000年以降に生まれてインターネットで大量の情報に触れて育ったZ世代には、どのような広告が刺さるのだろうか。産業能率大学の小々馬敦教授はゼミ生との交流を通じて、Z世代は良いこと、悪いことのいずれについても「素直な情報」を知りたいと思っており、身近で信頼できるインフルエンサーによって情報を補完していることを見出した。広告には、メッセージが具体的で、共感しながら、自分らしさも表現できることなどが求められている。
-
NEC、パーソナライズ動画を活用した顧客体験DXソリューションの提供を開始
NECは属性、行動履歴など事業者が持つ顧客データを利用して、生活者それぞれに合わせた動画コンテンツを作成できるサービスの販売を開始した。動画は説明力が高いうえ、対話型にして生活者の課題解決に踏み込んだ商品提案もできる。広告など販売促進策や、営業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を中心に受注を開拓する。デザインや動画制作を扱うクリエーティブ会社、広告会社など関連企業との協力体制を整えて、年内にも具体的な事案を実現する見通しだ。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
ログリー、クッキーレスの文脈解析でネイティブ広告の配信拡大
ログリーは、サイトの文章を分析して、利用者のし好や関心に合った広告を配信するコンテキストターゲティングを拡大している。広告主の希望する特徴などをキーワードとして設定したうえで、サイトの文章を文脈解析して関連する広告を配信する。このクッキーを使用しない新型配信ロジック「インテントキーワードターゲティング」を、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」に搭載した。「LOGLY lift」のインプレッション(広告表示回数)は、出版社、新聞社などパブリッシャーを中心に月間300億回に上る。さらに分析精度を向上させて、検索連動型広告並みの購買促進効果を実現する考えだ。
(主席研究員 渡辺正幸)
-
「Global Japan Corporation」コスパ重視の動画制作で受注拡大
札幌に本社と制作拠点を置く動画制作会社Global Japan Corporation(GJC)はコロナ禍にあっても、コストパフォーマンスの良さを武器に受注を着実に拡大している。首都圏を中心に、企業がウェブサイトや営業で使うプロモーション動画や、YouTubeなどに配信する動画広告を制作している。2021年3月には大阪にも営業拠点を設けた。代表取締役の手塚康司氏に現状と展望を聞いた。
(ジャーナリスト/研究員 永家 一孝)
-
米ハイネケンはサードパーティー・データへの依存度をどのように低下させたか
「WRAC GUIDE」は7月号で「The future of identity」を特集した。クッキー規制でサードパーティー・データを利用しないマーケティングが課題となるなか、ファーストパーティー・データの利用へとシフトして成果を上げている米ハイネケンの取り組みをまとめた「How HEINEKEN USA reduced reliance on third-party data」を紹介する。同社は自社顧客データと代理店が持つ外部データをまとめ、顧客とのつながりの強さに応じて3段階に分類。さらに顧客の属性情報も活用して、Eメールマーケティングなど新たな展開を検討している。
*「ADMAP」は2020年4月から、「WARC GUIDE」として生まれ変わりました。
OPEN