調査・研究

有力企業の広告宣伝費2021年版

2021-09-29 調査・研究 企業の広告宣伝費、13.2%の減少

 日経広告研究所は2020年度の「有力企業の広告宣伝費」をまとめました。非上場の大手企業を含む3258社(親子上場の子会社を除く。広告宣伝費開示企業は790社)の連結決算ベースの広告宣伝費は4兆4499億円となり、19年度に比べて13.2%減少しました。2ケタのマイナスはリーマンショック時以来、11年ぶり。コロナ禍により多くの企業が事業の停滞や縮小を余儀なくされ、広告宣伝活動も大幅に抑えられました。インターネット上でサービスを展開する企業など、活発に広告展開する業種も一部見られましたが、全体では低迷しました。


 売上高に占める広告宣伝費の割合は2.4%と、19年度の2.6%から低下しました。売上高も前年度比6.6%減とマイナスでしが、広告宣伝費の落ち込みが影響しました。広告宣伝費の動向を業種別にみると、最も多かったのはサービスですが、前年度に比べ2.4%減少し9569億円となりました。2位の小売業(7069億円、前年度比15.4%減)や3位の自動車(4894億円、20.3%減)、4位の電気機器(4370億円、26.3%減)はいずれも2ケタの減少幅でした。


 広告宣伝費の金額を企業別にランキングしたところ、サントリーホールディングスが首位でした。金額は3517億円で前年度に比べて8.8%の減少でしたが、前回1位のトヨタ自動車が広告宣伝費非開示となったため、2位から上昇しました。2位は楽天グループで、前年度比14.3%増の2640億円を計上し、5位から上昇しました。モバイル事業やフィンテック事業の拡大に伴い、広告宣伝も活発に展開しました。


 単独決算ベース(非上場の有力企業を含む4338社を対象。広告宣伝費開示企業は1177社)の広告宣伝費は1兆4921億円となり、19年度に比べて12.3%減りました。楽天グループが657億円と、前年度に比べて16.3%の減少だったものの3年連続の首位でした。2位はKDDIで、12.2%増の426億円。4位から順位を上げました。


 日本経済新聞社のNEEDS日経財務データを基に集計しました。対象は有価証券報告書を提出し、その中で広告宣伝費を公表している企業。伸び率は19、20年度とも広告宣伝費を公表している企業に絞って算出しています。


 調査データの詳しい内容は、9月30日発行の『有力企業の広告宣伝費2021年版』(日経広告研究所編 税込定価16,500円)で発表しています。書籍紹介ページはこちら。申込フォームへもお進みいただけます。是非ご購入を検討ください。