日経広告研究所(編)
2011.7.6発売
A4判、228ページ
定価3,000円(税別)
ISBN 978-4-532-64086-6
我が国広告界は2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに様子見ムードが広がっていますが、『広告白書2011』はやがて訪れるであろう次の上昇トレンドのなかで広告市場がどのように変わっていくかを見通せるよう工夫しました。
第1章は「始まった新たな変革」と題して、2000年以降急速に進んだ広告界の変革が新たなステップに入ったとの観点から、その内容を詳しく解説しています。具体的には、従来多くの企業に存在した「業績が好転すると広告宣伝費を増額、前年度に比べて減益見通しとなると広告宣伝予算も削減する」といった考え方は、現在も健在ではあるものの、売上高がなかなか増えず販売費・一般管理費を削って利益をねん出する企業が多いなかでは、業績の好転が広告宣伝費の増額になかなか結びつかないといった事情を指摘しています。逆に利益の減少には多くの企業が敏感に反応し、広告宣伝費を削減することが分かりました。このほか業績と広告宣伝費の年度途中の変更の関係などについても、分析を試みています。
また、10年下期の広告市場の回復はテレビ広告費の伸びがけん引したとの側面がありますが、主要企業の広告行動のなかからも、テレビや新聞といったマスメディアへの見直し機運が高まっている点が読み取れます。
そのほか宝くじの普及宣伝事業は、民主党政権が目玉事業と位置づけた事業仕分けのなかでいったん廃止と決まりましたが、その後の総務省や発行自治体の巻き返しもあり、宝くじの広告事業は存続が決まりました。これらのエピソードについても、詳しく解説しています。
もちろん、新聞、雑誌、テレビ、ラジオといったマスメディアの現状から、10年9月に発表された公正取引委員会の「広告業界の取引実態に関するフォローアップ調査」報告書など、ここ1,2年の広告界を巡るさまざまなトピックスについても詳しく紹介しています。
第1章 | 始まった新たな変革 |
---|---|
-主要広告主の行動から見た広告市場、生き残った宝くじ広告、さまざまな取り組み、有力企業の広告宣伝費 | |
第2章 | 揺れ動く広告メディア |
―インターネット、交通、屋外広告・OOH、折込チラシ、ダイレクトメール、フリーペーパー・マガジン、POP、電話帳 | |
第3章 | 経済情勢とマスメディア |
―経済・社会・マーケティングの動き、2010年の広告費、迷走続く政府統計、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ | |
第4章 | 広告会社と業界動向 |
―大手3社の2010年度決算・11年度予想、広告業界の動き、業界の話題、海外市場 | |
第5章 | クリエーティブと広告賞 |
―2010年の新聞広告、2010年のテレビCM、2010年度の広告賞 | |
第6章 | 広告調査 |
第7章 | 広告・マーケティング研究と新刊図書 |
―2010年の広告・マーケティング研究(2010年広告・マーケティング研究一覧)、2010年に発行した広告関連の図書 | |
第8章 | 今後の見通し |
―主要広告主の見方、民放連の見通し、日経広告研究所の予測 |
日経広告研究所(編)
2011.7.6発売
A4判、228ページ
定価3,000円(税別)
ISBN 978-4-532-64086-6