新型コロナウイルスの感染拡大は、グローバルに広告活動を展開するメガエージェンシーの経営に大きな影響を与えた。浮き彫りになったのは、伝統的な広告業務だけでは成長の維持が難しくなっていることだ。既存の広告分野の収益力を高めながら、次代を担う成長事業をどう育成していくか――。各社は新たなビジネスモデルへの転換を迫られている。
(主席研究員 望月 均)
2021年03月
新型コロナウイルスの感染拡大は、グローバルに広告活動を展開するメガエージェンシーの経営に大きな影響を与えた。浮き彫りになったのは、伝統的な広告業務だけでは成長の維持が難しくなっていることだ。既存の広告分野の収益力を高めながら、次代を担う成長事業をどう育成していくか――。各社は新たなビジネスモデルへの転換を迫られている。
(主席研究員 望月 均)
2021年02月
サイバーエージェントは2020年10~12月期決算を発表した。インターネット広告事業の売上高は前年同期と比べて13.8%増加した。藤田晋社長は「広告事業は好調に推移している」と受け止めている。新型コロナウイルスの感染拡大が広告業界に重くのしかかる中、ネット広告最大手としての強みを発揮した格好だ。21年9月期も高い成長を見込む。
(主席研究員 望月 均)
2020年12月
大手広告会社が先行きの経営に慎重姿勢を強めている。電通グループは2020年1~9月決算の発表時に、通期の業績予想の公表を見送った。博報堂DYホールディングスは、20年3月期からスタートしたばかりの中期経営計画の目標数値を取り下げた。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、従来のビジネスモデルを作り直そうとする意識を高めている。
(主席研究員 望月 均)
2020年11月
サイバーエージェントの20年9月期のインターネット広告事業の売上高は前の期と比べて5.0%増加した。新型コロナウイルスの感染拡大が広告業界全体にマイナスの影響をもたらす中、ネット広告最大手としての強みを発揮した格好だ。巣ごもり消費で売り上げを伸ばす広告主にターゲットを定めた営業戦略が功を奏した。21年9月期も着実な成長を見込んでいる。
(主席研究員 望月 均)
2020年09月
電通グループ、博報堂DYホールディングスの2020年4~6月決算は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が色濃く表れた。緊急事態宣言が発令された中、企業活動が極端に落ち込んだためだ。コロナ感染の先行きが依然不透明として両社は今回も業績予想の発表を見送ったが、内部的には4~6月期を底に緩やかに回復するシナリオを描く。アフターコロナの新常態をにらみ、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を支援する戦略を掲げている。
(主席研究員 望月 均)
2020年08月
サイバーエージェントの2020年4~6月期は広告事業の売上高が前年同期並みの水準を確保した。「広告事業は新型コロナウイルス感染拡大の影響を最も受けるだろうとみていたが、思ったよりも軽微にとどめることができた」(藤田晋社長)と振り返る。20年9月期は期初に発表した通りの業績予想を達成できると自信を深めている。
(主席研究員 望月 均)
2020年03月
電通は2019年12月決算で01年の上場以来、初の営業赤字に陥った。電通グループの目標株価を引き下げた三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリストは、大手広告主がマーケティング投資を抑制しており、事業環境が悪化していると指摘する。東京五輪・パラリンピックが開かれる20年は、電通グループにとって飛躍を期していた年のはずだった。この難局をどう乗り越えるのか――。
(主席研究員 望月 均)
[2020-03-01]
2019年12月
大手広告会社のインターネット広告関連事業の再編策が功を奏している。2018年から19年にかけてネット広告専業会社をグループ内に取り込んだことで、競争優位性を高めることができ、インターネット広告の売上高増加に結び付けている。テレビなどのマスメディア広告の需要が全体的に振るわない中、ネット広告の成長が大手広告会社の売り上げを下支えしている。
(主席研究委員 望月 均)
[2019-12-01]
2019年11月
サイバーエージェントは2019年9月決算を発表した。注目されたのは、インターネット広告専業トップとして高い成長力を誇ってきた同社が、この先1年のデジタル広告の環境をどうみているか。その答えは、「個人的な肌感覚として、広告事業は全体的に良くない」(藤田晋社長)だった。広告費全体の伸びをけん引してきたインターネット広告費だが、今後は伸び悩み傾向を強める恐れもでてきた。
(主席研究員 望月 均)
[2019-11-01]
2019年09月
電通は2019年12月期の連結純利益がこれまでの予想を256億円下回り、358億円になると下方修正した(国際会計基準)。前期と比べ60%の減益となる。国内の広告需要は期初に想定したほどの伸びを見込めない。海外は中国やオーストラリア市場の低調が響く。2020年にかけて東京五輪関連の広告需要が盛り上がるという見方は堅持している。
(主席研究員 望月 均)
[2019-09-01]
2019年06月
博報堂DYホールディングスは2020年3月期から24年3月期までの5カ年を対象とする中期経営計画を策定した。オールデジタル社会の到来を見越し、多様なタッチポイントを通じて生活者のデータを蓄積し、取引先へのマーケティング提案力に磨きをかける。具体的には、インターネットメディア事業と海外事業を成長の両輪として、最終年に950億円ののれん償却前営業利益を目指す。
(主席研究員 望月 均)
[2019-06-01]
2019年05月
今年1月末に2019年9月期の業績予想を下方修正して話題を呼んだサイバーエージェント。19年1~3月期は18年10~12月期と比べて上向き、「利益は巡航速度に戻った」(藤田晋社長)と受け止めている。ただ、過去最高の売上高を記録したとはいえ、成長力は力強さを欠いている。
(主席研究員 望月 均)
[2019-05-06]
2019年03月
電通が反転攻勢に向けて時機をうかがっている。懸案の働き方改革問題は2017、18年に集中的に取り組んだ結果、一定の目標水準をクリアできた。人材育成などの投資は継続せざるを得ない見通しだが、今後は営業力の再強化に少しずつ軸足を移していく公算が大きい。特に、マイナス成長が続いている電通本体での営業てこ入れが焦点になるとみられる。
(主席研究員 望月 均)
[2019-03-31]
2019年01月
世界最大の広告会社、英WPPは今後3年の経営計画(2019~21年)をまとめた。広告業界を取り巻く環境が大きく変わる中、「radical evolution(抜本的な進化)」を標榜し、グループの重複分野を大胆に整理する一方、強みであるクリエーティブとテクノロジー分野に積極投資をする。新たな最高経営責任者(CEO)のマーク・リード氏が初めて打ち出した経営計画で、同社の今後の方向性を示すものとして注目される。
(主席研究員 望月 均)
[2019-01-05]
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