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『日経広告研究所報』Vol.295(会員向け会報誌)
自主調査
広告費四半期予測 (概要)― 2007年8月
2007(平成19)年度の広告費、前年比1.2%増
 2007年度下半期(07年10月~08年3月)の広告費(経済産業省『特定サービス産業動態統計』は、前年同期比0.6%増になる見通し。
 日本の景気は原油高などのマイナス要因にもかかわらず拡大基調が続き、広告出稿を左右する企業業績は好調に推移している。
 半面、広告費に関係の深い国内の消費動向は一進一退の状態で、例えば広告出稿において主力業種の自動車業界は販売不振が続いている。こうした中でマスコミ4媒体の広告費の低迷という構造的要因はますます鮮明になる。
 広告費の動向は、2007年度上半期(07年4月~10月)の前年同期を下回る水準から、同下半期(07年10月~08年3月)には水面に浮上するものの、回復力は弱いと予測される。
2007年度上半期は0.5%減と落ち込み幅は縮小
 今年1月に「広研・センターモデル」で予測した07年度上半期(4月~9月)の広告費予測を再点検する。
 広告費合計は1月時点の予測で前年同期比1.2%減と予想したが、7月時点の見直しでは同0.5%減と減少幅が縮小した。半面、マス4媒体広告費は1月時点の2.9%減から落ち込み幅が拡大して3.0%減と予想した。媒体別の伸びは、新聞5.4%減(1月時点での予測数値は4.4%減、以下同)、雑誌5,3%減(同3.1%減)、テレビ1.7%減(同2.2%減)、ラジオ6.1%減(同4.1%減)。新聞、雑誌、ラジオの落ち込み幅が1月時点より拡大しているものの、マス4媒体広告費の6割以上を占めるテレビの落ち込みが0.5ポイント改善する。また、インターネット広告費や交通広告費などマス4媒体以外の広告費の伸びが06年度下半期よりも拡大したことが、広告費全体の落ち込みをカバーしたかたちである。
 07年5月までの広告費合計の推移を見ても、07年に入って前年同月を上回った月は1月(0.7%増)と4月(0.1%増)のみで、2月(0.6%減)、3月(0.3%減)、5月(1.9%減)と落ち込み幅が拡大している。
 06年4~6月期には、6月のサッカー・ワールドカップがプラス要因となって消費者金融や生損保会社の落ち込みをカバーしたのに対し、07年4~6月期はそうした要因も無いため前年同期を下回るのは確実で、前年同期比1.2%減と予想した。
 半面、今年7月の参議院選挙、8月下旬の「2007世界陸上選手権大阪大会」などの要因から、7~9月期は同0.2%と若干上向く見通しだ。 
マスコミ4媒体広告の低迷は構造的
 さらに、「広研・センターモデル」で07年度下半期の広告費合計を予想した。
 上半期の低迷に対して、下半期は同0.6%増と増加に転じる。とは言え、増加の勢いは強いとは言えない。これは07年10月~12月期が0.9%増、08年1~3月期が0.3%増と伸びが鈍化するためだ。
 マス4媒体広告費は2.4%減の見通しで、上半期に比べると落ち込み幅は小さい。媒体別に見ると、新聞5.4%減、雑誌4.9%減、テレビ0.8%減、ラジオ4.0%減で、いずれも上半期に比べると落ち込み幅は縮小する。この結果、07年度の広告費合計の伸び率は前年度比0.0%増となり、06年度に引き続き横這いとなる。
 7月の日銀短観(『企業短期経済観測調査』)によると、製造業、非製造業の業況が横這い傾向にあるのに対し、広告業は業況悪化の傾向にある。
 日銀の支店長会議や地域経済報告(7月)によると、各地で景気拡大・回復の動きが報告されているほか、日本経済新聞社が5月末にまとめた設備投資動向調査でも、全産業の07年度設備投資計画は前年度比8.7%増で5年連続のプラスとなっている。
 このように企業業績は順調だが、個人消費は一進一退という状況である。内閣府の6月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は46.0で5月より0.8ポイント下がった。2~3ヶ月先の景気動向を予測する先行き判断指数も48.4で5月より1.6ポイント下がり、半年振りに50を下回った。同じく内閣府の消費動向調査では、1年後の物価上昇を見込む世帯の割合は66.6%と2ヶ月連続で上昇した。消費者心理も冷え込み、4~6月の消費者態度指数は1~3月に比べ2.4ポイント減の44.3に低下した。
 ただ、日本経済新聞社が7月にまとめた夏のボーナス調査の最終集計では前年比伸び率は2.52%となり5年連続増加したり、日本経団連による07年夏のボーナス交渉妥結結果でも妥結額(加重平均)は91万0286円と4年連続で過去最高を更新するなど、所得の増加は見られている。それなのに個人消費動向が上向かないのは、定率現在の廃止、年金問題、消費税増額論議などの先行き不安要素によって、消費者の財布の紐が簡単に緩まない状況にあるといえる。
 こうした消費の低迷に加え、クロスメディア展開―インターネットを軸にマス4媒体や非マス媒体を組み合わせる―の広がりから、マス4媒体広告費の低迷が続く状況に変化は無い。他方、インターネット広告は05年度まで急成長を続けてきたが、最近でも伸び続けているのは検索連動型広告、アフィリエイト(成果報酬型)広告は急増するものの、バナー型広告は伸び率が鈍化してきた。ただし、経産省によると07年のインターネット広告費の伸びは10~20%台の伸び率で推移している。この伸びがマス4媒体広告費の低迷をカバーする形になるが、広告費合計を牽引するまでには至っていないのが現状である。
 なお、図は09年度以降の年度別にみた広告費合計とマス4媒体広告費の前年度比増減率の推移と、昨年7月に予測した12年度、13年度の増減率の予測をグラフにした。また、表は2012年度と13年度の四半期別媒体別広告費の増減率である。
広告費四半期予測 (概要)― 2007年8月


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